組木屋作品紹介 パズル愛好家へ捧ぐ

組木屋ジグソーパズル

デザイナー:Nobu クラフター:上田

​【今までに制作した樹種】MDF、(いつかちょっと高級な銘木で作りたいと思います)

 
​・組木屋ジグソーパズルとは
 

 

【目次】

一般的に「ジグソーパズル」といいますと、綺麗な写真やイラストが印刷された絵を細かく切断したピースを、絵や形の微妙な違いを手掛かりに組み立てるもの、を想像されるかもしれませんが、「組木屋ジグソーパズル」は、絵がなくて、凹凸の形もすべて同じです。

では、どんなパズルなのかというと、シンプルな6種類のピースを枠におさめる、という「箱詰めパズル」になります。

「枠の形」「ピース構成」とで、様々な難易度の問題が考えられます。

かんたんな問題もありますので、子供から大人まで、幅広く楽しんでいただけるかと思います、

(パズル愛好家の方ならば、問題を考えること自体を楽しんでいただけるかもしれません。)

写真は20ピースを「4×5」の枠におさめる、という問題で、あと一個だけがおさまらない、という絶妙な失敗の例。この失敗例の写真を撮るために、正解を見つけるのと同じぐらいの苦労をしました。

 
​・組木屋ジグソーパズルの「ピース構成」と「枠の形」
 

まずは、組木屋ジグソーパズルの「ピース構成」から説明します。

 

 上図に示すような、正方形の周りに凸凹がある6種類のピースで構成されます。

凸凹の形をすべて同じにすることにより、どのピースとでも組み合わせることが可能です。

(ここでは、いかにも「ジグソーパズル」っぽい形にしていますが、もっとシンプルに半円とか三角形の凸凹とかでも良くて、そのほうが制作しやすいし、パズルとしても操作しやすいです。←自作される場合の参考までに。)

正方形の4辺を、それぞれ凸(でこ)にするか、凹(ぼこ)にするか、全ての組み合わせを考えると、図の6種類となります。(回転したりひっくり返したりで重なるものは同一とします。)

カタカナの「キ」みたいな形を「キ」ホンピース、その他は出っ張りの数からそれぞれ「ヨ」ン、「サ」ン、「ニ」「イ」チ、「レ」イ、と名前を付けました。

「キヨサニイレ」それぞれ1ピースずつのものを「6種セット」、「キ」の数だけを適当に増やしたものを「8ピースセット」「10ピースセット」など、とします。

 

次に「枠の形」の基本ルール。

「上と左は凸、右と下は凹」、以上です。​

 

黒と白とで色分けして市松模様にすると「カッコいい」あるいは「面白い」かな、という場合は、基本的に「左上を黒とする」ことにしました。

 
問題1 なかなかむずかしい?「4×5」
 

この「4×5」は、Nobuさんが考えた問題。

 

 Nobuさんからは、問題とピース構成だけをスケッチで渡されたので、自分で製図して試作して考えてみました。「20ピースのジグソーパズルなんて、たいしたことないやろ?」と思ったのですが、これが意外と難しくて。「答え、ないんじゃね?」とか思いながらも、ギブアップして馬鹿にされるのは悔しいので、苦労してやっとのことで一つの解を見つけました。これが「ユニーク解(注1)」だったらいいなと思っていたのですが、、、

(注1)パズルの答えが唯一つしかないものを「ユニーク解」あるいは「唯一解(ゆいいつかい)」といいます。パズル愛好家にとっては、答えが複数あるものより、1個だけしかない「ユニーク解」のもののほうが、より「美しい問題」と評価されます。私自身も「パズル愛好家(初級)」であると自任しておりますので、できればユニーク解の問題を考えたい。

 

その後、別解を1つ見つけました(注2)。また、市松模様の色を無視すれば、非常にたくさんの解がありそうです。(できれば、解の総数が本当はいくつあるのか知りたいのですが、これ以上、手で解く気力がありません。残念ながらプログラムを組んでパズルを解くスキルもありません。。。)

(注2)さらにその後、二人の方にそれぞれ新たな解を見つけていただきました。(Fさん、Hさん、有難うございます。)また、うちのデザイナーのはるのさんも一個見つけてくれたので、少なくとも5通りの解があります。実はすごくいっぱい別解があるのかもしれません。

さらにさらにその後、Osho様よりご教授をいただき、解の総数が10通り(色を無視した場合は140通り)であることが判明いたしました。Osho様、誠に有難うございました。

けっこう惜しいところまでいったけど、あと2つおさまらない、という例。

​自分で解かなくては気が済まないという方のために、正解の写真は大きくは掲載しませんのでご安心を。

​どうしても解答を知りたいという方のために、ページの一番下の方に目立たないように掲載しておきます。

 
​・問題2 完成形がきれいな「4×4」
 

そのほかにも、いろいろな問題を考えてみましたので紹介します。

 

組み立てた形が、長方形より正方形の方がカッコいいだろうと思い、「4×4」の問題を考えました。

「4×5」より幾分か易しいと思いますが、とりあえず2通りの解が見つかっています。(枠の形が左上から右下の対角線で回転対称なので、斜めにひっくり返した解は同一とします。)

※:その後、解の総数は6通りであることが判明しました。

 
​・問題3 ピース構成がきれいな「3×4」
 

ピースに重複がなくて「きれい」だと思います。

 

非常にシンプルなピース構成ですが、これも複数解(現状2通りの解)がありました。

その後、解の総数は3通りと判明。

子供には、「3×4」でも十分に難しい問題のようです。

「3×3」はピース構成が美しくならないので、省略します。

「9ピースセット(キ×4+ヨサニイレ)」では、たぶん解がありません

「6種セット×2から9ピース選んで」という問題も、ちょっとだけ考えましたが、これは逆に解がいっぱい見つかりました。

 
​・問題4、5 さらにシンプルな「2×3」と「2×2」
 

たぶん、もっともシンプルな問題。

 

「2×3」は、こんなにピース数が少ないのに3通りの解が見つかりました。たぶん3つで全部だとは思いますが、断言する自信はありません。その後6通りあると判明。

たった6ピースでも、総当たりをしようと思うと、なんと!「(6×5×4×3×2×1)×4×4×4×2=92,160通り」もの場合があります。

(6箇所に6つのピースを並べる方法が6!通り。「サ・ニ・イ」は4方向、「キ」は2方向の並べ方があるので。全部掛け算すると。。。計算してみて自分でもびっくりしました。)

もちろん手作業で9万通りも試す根性はありません。形の条件から法則性を見つけて可能性を絞り込んでいくのが、このパズルを解く醍醐味かと。

 

「2×2」ユニーク解です。(枠の形が左上から右下の対角線で回転対称なので、斜めにひっくり返した解は同一とします。)

かなり可能性が絞られるので、さすがにこれは解は唯一つだと断言してもよいでしょう。実際、唯一解でした。

 
​・問題6、7 まだものたりないひとに「5×5-5」その1、その2
 

「5×5」もまた、ピース構成が美しくならないので省略します。

で、「5×5-5」という問題を2つ考えました。

 

それぞれ、少なくとも1つは解がありますが、ユニーク(唯一)かどうかはわかりません。

「5×5-5」その2 という問題を考えて解を見つけたら、実は、それが一番最初の「4×5」の解を1つ見つけたことになる、ということに気が付きました。気が付いたこと自体は嬉しかったのですが、「4×5」がユニーク解ではない、ということが確定して、ちょっと残念。

​その後、「その1」は9通りの解があるが、「その2」は唯一解と判明。

 
​・問題8 問題としては最も美しい?「6×6」
 

ピース構成「6種セット」×6。完成形は市松模様の正方形。

問題としては最高に美しいと思うのですが、、、

 

残念なことに、ぜんぜん面白くない解が大量に見つかってしまいました。

ピース構成を替えたら(例えば「9ピースセット」×4とかで)面白い問題になるかもしれませんが、今のところまだ挑戦してはいません。

 
​・問題9 パズル愛好家(上級者)様への挑戦(というかお願い)
 

「組木屋ジグソーパズル」の上記のような問題で、それぞれ解の総数を求めてください。

手作業ですべての解を突き止めようとすると、パズルとしては末永く楽しんでいただけるかと思いますが、ここでは、プログラムで解いていただける「ソルバー」の方を大募集させていただきます。我こそは、という方がおられましたら、ご質問・お問い合わせのページからご連絡をいただけましたら有難く思います。

どうぞ宜しくお願いいたします。

(組木屋では、Osho様のご教授により「解の総数問題」は解決しました。でもパズル好きの方は、よかったらチャレンジしてみてください。)

 
​・さらなる問題 きれいな「ピース構成」「枠の形」で、「美しい解」となる問題
 

、、、を考案してください。(例えば、チェス盤とおなじ「8×8」で「ユニーク解」となる、きれいな「ピース構成」があったりしたら最高に素晴らしいですね。)

面白い問題を考案されましたら是非、組木屋までお知らせください。

どうぞ宜しくお願いいたします

 
​・図面データ販売
 

「組木屋ジグソーパズル」は、ショップにて糸鋸加工用の図面データをダウンロード販売いたしております。

(図面では、ピースを効率よく木取りできるように配置しているため、「2×3」の解が一つ分かってしまいますが、ご了承ください。)

糸鋸盤をお持ちで、組み木パズルを楽しまれている方は、ぜひ自作してみてはいかがでしょうか。

 
​・組木屋ジグソーパズル 自作の薦め
 

組木屋では、図面データ販売をしておりますが、(いかにもジグソーパズルという)ピースの形にこだわらないのであれば、だれでも簡単に作図できるかと思います。(たとえば、半円とか三角形の凸凹にすると、製図も制作も簡単です。)また、木ではなく厚紙などでしたら加工も容易かと。それでもパズルとしては十分に機能するかと思います。

パズル愛好家の方もそうでない方も、是非とも「組木屋ジグソーパズル」を自作してみていただき、楽しんでいただけましたら大変うれしく思います。

 
​・組木屋ジグソーパズルの亜種「組木屋ジグソーバブル」
 

Nobuさんデザインの「組木屋ジグソーパズル」を基に、はるのさんががピースを丸くした新しいデザインを考案してくれました。これも上の「制作が簡単なピースの例」と同様に、本質的には同じパズルです。

組んだ状態だと、丸い泡がいくつも重なったような見た目になりますので、「組木屋ジグソーバブル」という作品名にして、白と水色とで制作してみました。(ネーミングと制作をしたのは上田です。)

 

「組木屋ジグソーパズル」を知らないで、泡ピースをバラバラの状態で渡されたら、初めは下の写真のような感じで組もうと試される人が多いのではないかと思います。

 

ですが、ピースがたくさん余ってしまいます。まずは、その本質「凸凹を合わせて、正方形の格子状に並べるパズル」であることに気が付がないと解けません。その分ちょっとだけ、組木屋ジグソーパズルよりバブルの方が難しいパズル、といえるかもしれません。

 

 正方形格子の1辺の長さ(基尺)を1とすると、泡ピースの直径dは「√2≧d>1」の範囲で制作可能です。写真の作品は「d=1.2」で制作してみました。小さくするほど、ピース同士の隙間が大きくなります。

 

バブルも割と加工がしやすい形状なので、よかったら自作して楽しんで下さい。これも糸鋸盤加工用の図面データをショップにてダウンロード販売しております。

 
​・変則問題「3×3」
 

問題3のところで、「3×3」はピース構成が美しくならない、と書いたら、Nobuさんから次の変則問題をいただきました。

 

ピース構成は「6種セット」×1なので確かに美しいといえますが。

「3×3」枠の形が、外周ぐるっとすべて凹なのが変則的です。

 

9マスに6ピースを収める、って考えるとずいぶん簡単そうですが、意外とあと一個が入りません。

 

 しばらく試して答えは分かりましたが、若干いぢわる問題っぽいかも。確かにちゃんとおさまるんですけどね。

(解は2通りあります。)

 
​・もっともシンプルだけど大問題「1×1」
 

「2×3」と「2×2」が、たぶんもっともシンプルだと書きましたが、考えなおしました。

一番の基本はやっぱり「1×1」でしょう。しかし、これもよく考えると大変難しい問題だと思います。

 

平面的に見ても、けして簡単ではないのですが、立体の場合さらに難しい。

 

 左の写真で、黒いピースに囲まれた空間に、白いピースをはめます。

空間とピースと、それぞれの輪郭を抽出できたとして(右図)、いったいどれがはまるでしょうか?明らかに、どれもはまりそうにありません。

「1×1」の問題を解くためには、空間およびピースの輪郭を把握するだけではなく、見えていない部分を推測し、立体的な形状を想像し、その立体の平面図を抽出した上で、回転・平行移動をしてどのピースがはまるのか判断をしなくてはならないのです。

現状のAIロボットでは、この「1×1」の問題を解けるかどうか。

人間の子供はこの難しい作業を、(試行錯誤しならがですが)2歳か3歳くらいにはできるようになってしまいます。改めて「人間ってすごいなぁ」と思いました。

 
​・各問題の解答例
 

どうしてもパズルの答えが知りたいという方、あるいは、自分で問題を解いたけどそれが既知の解かどうか確認したいという方のために、組木屋で把握している解答(2018年9月時点)を以下に載せておきます。目立たないように小さな画像で表示しますので、見たくない方はクリックしないように、ご注意ください。

 

「4×5」の解答例:5通り(解の総数は10通り、色を無視した場合は140通り)

「4×4」の解答例:2通り(解の総数は6通り)

「3×4」の解答例:2通り(解の総数は3通り)

「2×3」解答3通り(総数は6)と「2×2」の解答1通り(唯一解)

「5×5-5」その1とその2、それぞれ1通り(その1の総数は9、その2は唯一解)

​「6×6」(6種セット×6)は省略しますが、ある方法に気が付くと、それだけで多くの解(たぶん93通り)ができてしまいます。その方法を無視すれば、パズルとして十分やりがいのある面白いものだとは思うのですが。(実際のところ、まったく桁外れに多くの解があります。ピース構成を「9ピースセット×4」としても、大量の解がありました。)

変則問題「3×3」の解答例(総数2)

​・ささやかな懸賞金問題(2019年4月時点で終了しました)
 

上記以外の新たな解答を見つけられた方がおられましたら、是非とも組木屋までお知らせください。

ささやかながら、割引クーポン1万円分をプレゼントをさせていただきたいと思います。(組木屋ショップでしか使えないクーポンですが、、、)

プログラミングなどで、解の総数を確信を持って解いていただけた場合には、組木屋ショップの中からお好きな作品をどれでも1点プレゼントさせていただこうと思います。

​どうぞ宜しくお願いいたします。

2019年4月、Osho様よりご教授をいただき「解の総数問題」は解決いたしました。

​Osho様には、その他にも多くのことをご教授いただいた上、たくさんの素晴らしい刺激をいただきました。(いくつもの貴重な作品までいただいてしまいました。)本当に感謝の念にたえません。

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