組木屋作品紹介 パズル愛好家へ捧ぐ
組木屋ジグソーパズル
デザイナー:Nobu クラフター:上田
【今までに制作した樹種】MDF、(いつかちょっと高級な銘木で作りたいと思います)
(2021年)ウォルナットとトチで制作→第2回パズルオーディションに出品→優秀賞をいただきました!
・組木屋ジグソーパズルとは
【目次】
一般的に「ジグソーパズル」といいますと、綺麗な写真やイラストが印刷された絵を細かく切断したピースを、絵や形の微妙な違いを手掛かりに組み立てるもの、を想像されるかもしれませんが、「組木屋ジグソーパズル」は、絵がなくて、凹凸の形もすべて同じです。
では、どんなパズルなのかというと、シンプルな6種類のピースを枠におさめる、という「箱詰めパズル」になります。
「枠の形」と「ピース構成」とで、様々な難易度の問題が考えられます。
かんたんな問題もありますので、子供から大人まで、幅広く楽しんでいただけるかと思います、
(パズル愛好家の方ならば、問題を考えること自体を楽しんでいただけるかもしれません。)

写真は20ピースを「4×5」の枠におさめる、という問題で、あと一個だけがおさまらない、という絶妙な失敗の例。この失敗例の写真を撮るために、正解を見つけるのと同じぐらいの苦労をしました。
・組木屋ジグソーパズルの「ピース構成」と「枠の形」
まずは、組木屋ジグソーパズルの「ピース構成」から説明します。

上図に示すような、正方形の周りに凸凹がある6種類のピースで構成されます。
凸凹の形をすべて同じにすることにより、どのピースとでも組み合わせることが可能です。
(ここでは、いかにも「ジグソーパズル」っぽい形にしていますが、もっとシンプルに半円とか三角形の凸凹とかでも良くて、そのほうが制作しやすいし、パズルとしても操作しやすいです。←自作される場合の参考までに。)
正方形の4辺を、それぞれ凸(でこ)にするか、凹(ぼこ)にするか、全ての組み合わせを考えると、図の6種類となります。(回転したりひっくり返したりで重なるものは同一とします。)
カタカナの「キ」みたいな形を「キ」ホンピース、その他は出っ張りの数からそれぞれ「ヨ」ン、「サ」ン、「ニ」、「イ」チ、「レ」イ、と名前を付けました。
「キヨサニイレ」それぞれ1ピースずつのものを「6種セット」、「キ」の数だけを適当に増やしたものを「8ピースセット」「10ピースセット」など、とします。
次に「枠の形」の基本ルール。
「上と左は凸、右と下は凹」、以上です。
黒と白とで色分けして市松模様にすると「カッコいい」あるいは「面白い」かな、という場合は、基本的に「左上を黒とする」ことにしました。
問題1 なかなかむずかしい?「4×5」
この「4×5」は、Nobuさんが考えた問題。

Nobuさんからは、問題とピース構成だけをスケッチで渡されたので、自分で製図して試作して考えてみました。「20ピースのジグソーパズルなんて、たいしたことないやろ?」と思ったのですが、これが意外と難しくて。「答え、ないんじゃね?」とか思いながらも、ギブアップして馬鹿にされるのは悔しいので、苦労してやっとのことで一つの解を見つけました。これが「ユニーク解(注1)」だったらいいなと思っていたのですが、、、
(注1)パズルの答えが唯一つしかないものを「ユニーク解」あるいは「唯一解(ゆいいつかい)」といいます。パズル愛好家にとっては、答えが複数あるものより、1個だけしかない「ユニーク解」のもののほうが、より「美しい問題」と評価されます。私自身も「パズル愛好家(初級)」であると自任しておりますので、できればユニーク解の問題を考えたい。
その後、別解を1つ見つけました(注2)。また、市松模様の色を無視すれば、非常にたくさんの解がありそうです。(できれば、解の総数が本当はいくつあるのか知りたいのですが、これ以上、手で解く気力がありません。残念ながらプログラムを組んでパズルを解くスキルもありません。。。)
(注2)さらにその後、二人の方にそれぞれ新たな解を見つけていただきました。(Fさん、Hさん、有難うございます。)また、うちのデザイナーのはるのさんも一個見つけてくれたので、少なくとも5通りの解があります。実はすごくいっぱい別解があるのかもしれません。
さらにさらにその後、Osho様よりご教授をいただき、解の総数が10通り(色を無視した場合は140通り)であることが判明いたしました。Osho様、誠に有難うございました。

けっこう惜しいところまでいったけど、あと2つおさまらない、という例。
自分で解かなくては気が済まないという方のために、正解の写真は大きくは掲載しませんのでご安心を。
どうしても解答を知りたいという方のために、ページの一番下の方に目立たないように掲載しておきます。
・問題2 完成形がきれいな「4×4」
そのほかにも、いろいろな問題を考えてみましたので紹介します。

組み立てた形が、長方形より正方形の方がカッコいいだろうと思い、「4×4」の問題を考えました。
「4×5」より幾分か易しいと思いますが、とりあえず2通りの解※が見つかっています。(枠の形が左上から右下の対角線で回転対称なので、斜めにひっくり返した解は同一とします。)
※:その後、解の総数は6通りであることが判明しました。
・問題3 ピース構成がきれいな「3×4」
ピースに重複がなくて「きれい」だと思います。
