組木屋作品紹介 組木パズル(コーディネート・モーションにこだわってみた)
このページは、制作メモ的なページです。
パズルの答えや仕組みが分かる画像もあります。あらかじめご了承ください。
このページのURL<https://www.kumikiya.com/nkk-memo>
多角形組木シリーズ
デザイナー:Nobu クラフター:上田
【今までに制作した材種】ほとんどMDFでの試作。特に気に入った作品は、いつか銘木とかで作りたい。
・多角形組木 とは
【目次】
「多角形組木」というのは、一般的な名称ではなく、組木屋オリジナルデザインのとある作品群に付けた名前です。元々は「ペンローズの三角形組木」という作品を作ったのですが、そこから派生して、四角・五角・六角と拡張したり、コーディネート・モーション(後述)を目指して改変したりして生まれてきた「組木パズル」たちです。
<現状、以下のモノたちを制作しています。(青文字は未作成)>
●三角形組木
・ペンローズの三角形組木 ←別途、紹介ページがあります。
・トリコローズ
・V-2シリーズの組み積み木
●四角形組木
・基本タイプ ←パズルの面白さNo.1(たぶんキャストカルテットと同じなので…)
↓これ以下はコーディネートモーションにこだわって改変したものです。
・FF
・トト
・kk
・シンプル ←4ピースでは構造のシンプルさNo.1
・4ピース同形 ←2019年05月追記
・ZS(親切設計)
・ZS(いじわる設計)
・〼(親切設計)
・〼(いじわる設計) ←組んだ形状のシンプルさNo.1
・+(親切設計)
・+(いじわる設計) ←パズルのいじわるさNo.1
・ー(親切設計)
・ー(いじわる設計)
●五角形組木
・基本タイプ
↓これ以下はコーディネートモーションにこだわって改変したものです。
・★(親切設計)
・★(いじわる設計)
●六角形組木
・基本タイプ ←これもパズルとしてめっちゃ面白い
↓これ以下はコーディネートモーションにこだわって改変したものです。
・*(親切設計) ←動きはこれが一番面白いかも
・*(いじわる設計)
●七角形組木
・基本タイプ
・✳
●八角形組木
・基本タイプ ←四つ巴の鎖が組めるかも
・✳
・+
・コーディネート・モーションとは
「コーディネート・モーション」という言葉は、パズル愛好家の間での専門用語で、以前は、エクスプロージョン(爆発)とも呼ばれていたそうです。(葉樹林のOsho様から教えていただきました。)
私なりの解釈で定義をすると、
「全てのピースが連携して別の動きをする」パズルの仕組み、もしくはその動きのこと
という感じで考えています。
日本語で一言で言うとしたら、「全連動」もしくは単に「連動」ぐらいがよいのではないでしょうか。
「共動」と訳されることもあるとか。
英語では「coordinate motion(googleで訳すと座標運動となる)」の他に、「coordinated motion(協調運動)」「simultaneous motion(同時運動)」「symmetric motion(対称運動)」といった表現も使われているよう。
・基本タイプの多角形組木たち
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「ペンローズの三角形組木」から、四角形、五角形、六角形、…n角形、と拡張した作品。
全体構造:2層構造。
nが奇数の場合と偶数の場合とで、少し構造が異なる。
全体形状:n回対称(ロール回転)。
裏返し対称(ヨー回転)。裏返しの回転対称軸はn本ある。
鏡映対称ではない。
n角形をn分割。裏返したものと接着。
中央にn角形の穴。←穴は無しにもできる。
複数バリエーション有り。動きや強度の関係で随時改変。
ピース構成:n個のピース。すべて同形。
ピース形状:裏返し対称(ヨー回転)。
動き:三角形組木はコーディネート・モーションとなるが、
4≦nの場合は、完全なコーディネート・モーションではない。
nピースバラバラの動きも可能だが、普通に操作すると摩擦により2個づつセットで動きやすい。
解法:放射状に分解。(奇数角形は、辺と直角方向。偶数角形は、対角線方向。)
回す(ロールする)と遠心力で気持ちよく外れる。
その他:七角形以上にも拡張可能だが、精度を出すのが大変そうなので、制作は保留。

四角形組木「基本タイプ」
四角形組木の試作品で遊んでいて、2個セットのリングを、鎖状に組めることに気が付きました。(下写真左)
パズルとして「めっちゃ面白い!」と思ったのですが…
たぶん、「キャストカルテット(デザイン:MINE. Uyematsu氏)」という既存の作品と同じ構造と思われます。
カルテットの現物を入手して確かめてはいないのですが、写真で見る限りたぶんほぼ同じだろうな…と。

さらに、六角形組木で遊んでいたら、2個セットのリングを、三つ巴の鎖状に組めることが判明。(上写真右)
私の作った試作品では、結構余裕をもって動かすことができたけど、ピースのプロポーションを変えて、動きがギリギリまで制限されるようにしたら、鬼のように難しいパズルになってしまいそうです。
でもこれも「めっちゃ面白い!」と思います。
まだ制作はしていませんが、八角形組木ならば四つ巴の鎖が組めるかもしれない、と予想しています。
・四角形組木「FF」「トト」「kk」「シンプル」
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四角形組木の基本タイプを、コーディネート・モーションに改変(その1)。
全体構造:2層構造。
全体形状:2回対称(ロール回転、180°回転対称)。
裏返し対称(ヨー回転)。
鏡映対称ではない。(「FF」は鏡映で作ると「上上」になります。)
ピース構成:4ピース。2個づつ同形。
ピース形状:裏返し対称(ヨー回転)。
動き:必然的にコーディネート・モーションとなる。
(動きの途中からコーディネート・モーションでなくなるものもある。)
解法:放射状に分解。摩擦が小さければ、回す(ロールする)と遠心力で気持ちよく外れる。
その他:アクリル板(4色)で制作すると、組む時・外す時の色の変化が綺麗になりそう。
「シンプル」は、厚みを調整すれば、「組み積み木」としても面白そう。
「FF」も「組み積み木」として面白いけど、
いろいろな組み方・積み方ができ過ぎて、収拾がつかなくなります。
元々最初は、2層でのコーディネート・モーションを考えようとしたのですが上手くいかず、一旦諦めて、4層の「ZS」「〼」、3層の「+」などを先に考案制作しました。
その後で、改めて2層にチャレンジして、「FF」→「トト」→「kk」→「シンプル」の順で考案しました。
かなり遠回りをしましたが、この「シンプル」が、4ピース・平面移動でコーディネート・モーションとなる、もっとも単純な形のひとつではないかと思われます。
辿り着いてみたら、「そりゃそうだ。なんで最初に思いつかなかったんだろう」と思うぐらい単純な構造でした。
さらに後で知りましたが、葉樹林日記(2011.4.29)の「4分割スライドパズル」とかなりニアミスしておりましたね。若干形は違いますが、原理としては同じだと思われます。