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  • 組木屋 上田

ウォルナット


銘木図鑑の第3回。これまで「パロサント(リグナムバイタ)」「ピンクアイボリー」と、非常に評価の高い樹種を紹介してきましたが、ここで、組木屋で銘木の評価基準としている「ウォルナット」を紹介します。

「世界三大銘木の一つ。扱いやすく標準的な銘木」

【別名】ブラックウォルナット

【科目】クルミ科 クルミ属 広葉樹

【組木屋作品】メビウスの指輪、がらがらの木、猫の組み積み木、猫の箸置き、十二支のジャングル、2dCube、など

【評価】組木屋で樹種の評価を数値化するにあたり、ウォルナットを評価基準としました。よって「硬さ」も「加工難度」も「木肌仕上」も「色・木目」も「材料価格」も、すべての評価が10点中の5点です。

けっして評価が低いわけではありません。

「世界三大銘木」と呼ばれる樹種で(他は、マホガニーとチーク)、一般的にも人気のある良材です。

銘木と呼ばれる材の中では、ある程度大きな板材とかでも入手もしやすく、組み木作品に大変重宝します。

【色・匂・味】心材は、灰色っぽい(彩度が低い)茶色。ブラックウォルナットの名の通りかなり黒っぽいものから、けっこう薄い色のものまで、色幅が結構大きい。白太部分もやや灰色がかった肌色。

色の濃い材としては比較的入手しやすいので、モノクロ2色で作品を作りたいときなどに重宝する。

色幅が大きく、木目もけっこう色々。白太ありの材は、あまり多くは流通していないかも。

焦がすと、少し甘くて香ばしい匂いがするが、普段はほとんど匂わない。

木屑の味は、ちょっと苦いかな?という感じ。

【加工性】ウォルナットの加工難度を10点満点中の5点(基準)としています。

銘木と呼ばれる材の中では、比較的加工しやすい。硬さも適度。白太部分は心材と比べると柔らかい。繊維方向による硬さの差は、平均的(2倍くらい)。糸鋸盤加工ではけっこう焦げやすいが、もともと色が濃いので焦げても目立ちにくい。個体ごとにクセもそこそこあるけど、それも平均的なものかと。逆目も感じるがそれほど強くはない。

【仕上】メビウスの指輪の場合、#1000ぐらいまでヤスリかけしてます

研磨すると色が深くなっていく。あまり磨いていないものにオイル塗装をすると、色が濃く(濡れ色)になるように感じるが、それは本来の木の色に近づいているだけ、ということが、指輪を#1000ぐらいまで磨いてよく分かった。

見る角度、光の当たり具合で表情が違って見える。道管が割と大きいので、磨いても(特に白太近くでは)”つるっつる”とまではならないが、十分に綺麗だと思う。(この木肌仕上げの程度を、銘木としての標準5点としている。)

左は普通のデジカメで出来るだけ近寄って撮った写真。中央と右のは、デジタルマイクロスコープでさらに寄って撮った写真。右の写真の右側にはクラックスケールの、0.20mm幅の線を当てています。

道管の太さは、0.20mm前後ぐらいかな、という感じ。

【その他】材料価格に関しても、ウォルナットが5点となるように評価方法を決めています。対数をとっているので、評価点が1点あがると価格はざっと2倍(もうちょっと正確に言うと、1倍超、4倍未満)となります。評価点9点の「ピンクアイボリー」なんかは、10倍くらいのお値段がします。

ウォルナットは入手しやすい良材なので、これからもいろいろな作品に使用すると思います。

【2018年12月 指輪の拡大写真追加】

#銘木

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