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組木屋ジグソーパズル


今回は、「組木屋ジグソーパズル」という作品を紹介いたします。パズル愛好家の方々に是非とも見ていただきたい、Nobuさん曰く「これぞ、ジグソーパズル」という作品です。

組木屋ジグソーパズルとは

一般的に「ジグソーパズル」といいますと、綺麗な写真やイラストが印刷された絵を細かなピースに切断したものを、絵や形の微妙な違いを手掛かりに組み立てるもの、を想像されるかもしれませんが、「組木屋ジグソーパズル」は、絵がなくて、凹凸の形もすべて同じです。 では、どんなパズルなのかというと、シンプルな6種類(×2色)のピースを枠におさめる、という「箱詰めパズル」になります。

デザイナーはNobuさん。

「枠の形」と「ピース構成」とで、様々な難易度の問題が考えられます。(パズル愛好家の方ならば、問題を考えること自体を楽しんでいただけるかもしれません。)

組木屋ジグソーパズル

写真は「4×5」の枠におさめる、という問題で、あと一個がおさまらない、という絶妙な失敗の例。この失敗例の写真を撮るために、正解を見つけるのと同じぐらいの苦労をしました。

組木屋ジグソーパズルの「ピース構成」と「枠の形」

まずは、組木屋ジグソーパズルの「ピース構成」の説明から。

組木屋ジグソーパズル ピース構成

上図に示すような、正方形の周りに凸凹がある6種類のピースで構成されます。

凸凹の形をすべて同じにすることにより、どのピースとでも組み合わせることが可能です。(ここでは、いかにも「ジグソーパズル」っぽい形にしていますが、もっとシンプルに半円とか三角形の凸凹とかでも良くて、そのほうが制作しやすいし、パズルとしても操作しやすいです。←自作される場合の参考までに。)

正方形の4辺を、それぞれ凸(でこ)にするか、凹(ぼこ)にするか、全ての組み合わせを考えると、図の6種類となります。(回転したりひっくり返したりで重なるものは同一とします。)

カタカナの「キ」みたいな形を「キ」ホンピース、その他は出っ張りの数からそれぞれ「ヨ」ン、「サ」ン、「ニ」、「イ」チ、「レ」イ、と名前を付けました。

「キヨサニイレ」それぞれ1ピースずつのものを「6種セット」、「キ」の数だけを適当に増やしたものを「8ピースセット」「10ピースセット」など、とします。

次に「枠の形」の基本ルール。

「上と左は凸、右と下は凹」、以上です。

黒と白とで色分けして市松模様にすると「カッコいい」あるいは「面白い」かな、という場合は、基本的に「左上を黒とする」ことにしました。

問題1 なかなかむずかしい?「4×5」

この問題だけはNobuさんが考えてくれました。

Nobuさんからは、問題とピース構成だけをスケッチで渡されたので、(当分の間、無視してやろうか、とも思ったのですが、しかたがないので)自分で製図して試作して考えてみました。

これが意外と難しくて「答え、ないんじゃね?」とか思いながらも、ギブアップして馬鹿にされるのは悔しいので、苦労してやっとのことで一つの解を見つけました。

上田「まあまあ、むずかしかったよ。これってユニーク解(注1)?」

Nobu「知らんし」

上田「・・・(むかっ!)」

(注1)パズルの答えが唯一つしかないものを「ユニーク解」あるいは「唯一解(ゆいいつかい)」といいます。パズル愛好家にとっては、答えが複数あるものより、1個だけしかない「ユニーク解」のもののほうが、より「美しい問題」と評価されます。私自身も「パズル愛好家(初級)」であると自任しておりますので、できればユニーク解の問題を考えたい。

この「組木屋ジグソーパズル」の「4×5」もユニーク解だったらよかったのですが、その後、別解を1つ見つけたので、少なくとも2通りの解があります。また、市松模様の色を無視すれば、かなりたくさんの解がありそうです。(できれば、解の総数が本当はいくつあるのか知りたいのですが、これ以上、手で解く気力がありません。残念ながらプログラムを組んでパズルを解くスキルもありません。。。)

問題2 完成形がきれいな「4×4」

これ以降の問題は、すべて上田が考えました。

組み立てた形が、長方形より正方形の方がカッコいいだろうと思い、「4×4」の問題を考えました。

「4×5」より幾分か易しいと思いますが、とりあえず2通りの解が見つかっています。

問題3 ピース構成がきれいな「3×4」

ピースに重複がなくて「きれい」だと思います。

非常にシンプルなピース構成ですが、これも複数解がありました。

子供には、「3×4」でも十分に難しい問題のようです。

「3×3」はピース構成が美しくならないので、省略します。「9ピースセット(キ×4+ヨサニイレ)」では、たぶん解がありません。「6種セット×2から9ピース選んで」という問題も、ちょっとだけ考えましたが、これは逆に解がいっぱい見つかりました。

問題4、5 さらにシンプルな「2×3」と「2×2」

「2×3」は、こんなにピース数が少ないのに3通りの解が見つかりました。たぶん3つで全部だとは思いますが、断言する自信はありません。

たった6ピースでも総当たりをしようと思うと、なんと!「(6×5×4×3×2×1)×4×4×4×2=92,160通り」もの場合があります。(6箇所に6つのピースを並べる方法が6!通り。「サ・ニ・イ」は4方向、「キ」は2方向の並べ方があるので。全部掛け算すると。。。今、計算してみて自分でもびっくりしました。)

もちろん手作業で9万通りも試す根性はありません。形の条件から法則性を見つけて可能性を絞り込んでいくのが、このパズルを解く醍醐味かと。

「2×2」はユニーク解です。たぶん。(枠の形が左上から右下の対角線で回転対称なので、斜めにひっくり返した解は同一とします。)

かなり可能性が絞られるので、さすがにこれは断言してもよいでしょう。たぶん。

でも、単純に総当たりしようとすると、「(6×5×4×3)×(4×4×4×2)×(4/6)×(1/2)=10,240通り!?」計算式、合っているかな?いや、×(4/6)って間違ってる気がします。たぶん「サ・ニ・イ」と「キ」を選んだ場合と選ばなかった場合とで、それぞれ分けて別々に考えなくてはならないですよね。「場合の数」って中学生ぐらいで習った気がするけど、久しぶりに考えるとこれも意外とむずいですな。。。

問題6、7 まだものたりないひとに「5×5-5」その1、その2

「5×5」もまた、ピース構成が美しくならないので省略します。

で、「5×5-5」という問題を2つ考えました。

それぞれ、少なくとも1つは解がありますが。ユニーク(唯一)かどうかはわかりません。

「5×5-5」その2 という問題を考えて解を見つけたら、実は、それが一番最初の「4×5」の解を1つ見つけたことになる、ということに気が付きました。気が付いたこと自体は嬉しかったのですが、「4×5」がユニーク解ではない、ということが確定して、ちょっと残念。

問題8 問題としては最も美しい?「6×6」

ピース構成「6種セット」×6。完成形は市松模様の正方形。

問題としては最高に美しいと思うのですが、、、

残念なことに、ぜんぜんおもしろくない解が大量に見つかってしまいました。

ピース構成を替えたら(例えば「9ピースセット」×4とかで)面白い問題になるかもしれませんが、今のところまだ挑戦してはいません。

問題9 パズル愛好家(上級者)様への挑戦(というかお願い)

「組木屋ジグソーパズル」の上記のような問題で、それぞれ解の総数を求めてください。

手作業ですべての解を突き止めようとすると、パズルとしては末永く楽しんでいただけるかと思いますが、ここでは、プログラムで解いていただける「ソルバー」の方を大募集させていただきます。我こそは、という方がおられましたら、ご質問・お問い合わせのページからご連絡をいただけましたら幸いです。

どうぞ宜しくお願いいたします。(2019年4月、「解の総数問題」は解決しました。詳しくは作品紹介のページで)

さらなる問題 きれいな「ピース構成」「枠の形」で、「美しい解」となる問題

、、、を考案してください。(例えば、チェス盤とおなじ「8×8」で「ユニーク解」となる、きれいな「ピース構成」があったりしたら最高に素晴らしいですね。)

面白い問題を考案されましたら是非、組木屋までお知らせください。

どうぞ宜しくお願いいたします。

以上、初級パズル愛好家(組木屋上田)からの問題でした。

追伸

糸鋸盤で加工するための図面を整備して、近いうちにダウンロード販売できるようにしようと思ってはおりますが、(いかにもジグソーパズルという)ピースの形にこだわらないのであれば、だれでも簡単に作図できるかと思います。(たとえば、半円とか三角形の凸凹にすると、製図も制作も簡単です。)また、木ではなく厚紙などでしたら加工も容易かと。それでもパズルとしては十分に機能するかと思います。

パズル愛好家の方もそうでない方も、是非とも「組木屋ジグソーパズル」を自作してみていただき、楽しんでいただけましたら大変うれしく思います。

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